Living In A Box / Living In A Box - 80sシンセ・ポップが最も洗練された瞬間を刻む都会派Dance Classic

Living In A Box / Living In A Box

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80sシンセ・ポップが最も洗練された瞬間を刻む都会派Dance Classic…1987年、UKシンセ・ポップが成熟期を迎えていたタイミングで放たれた、Living In A Boxのデビューシングルにして代表曲「Living In A Box」。USオリジナル12インチシングルで聴くこの曲は、単なるヒット・ソングの枠を軽々と超え、80年代後半のPopとClubカルチャーの交差点を見事に捉えたサウンドです。


12インチで完成するクラブ仕様のビルドアップ

イントロからまず耳に飛び込んでくるのは、クリアで立体的なシンセのレイヤーっ!アルバム・バージョンではコンパクトにまとめられていたこの曲が、12インチでは6分超のDance Mixへと拡張され、イントロからじっくりとビルドアップしていきます。シンセのフレーズが一音ずつ重ねられ、徐々にグルーヴが形成されていく構成は、完全なクラブ仕様っ!


Arthur Bakerが操る「溜め」と「解放」

Arthur Bakerによるミックスは、無駄を削ぎ落としながらも高揚感を最大限に引き出し、フロアでの「溜め」と「解放」を完璧にコントロールしています。New Wave的な軽快さを保ったリズムに、ファンク由来の跳ねをしっかり内包させることで、PopとDanceの境界線を極めて自然に越えていく…この感覚は当時ならではですね。


Marcus Vereのヴォーカルが生む温度感

クールなシンセ・サウンドの中で、Marcus Vereのソウルフルなヴォーカルだけが人間味を帯びて前に出るコトで、この曲には独特の温度感が生まれています。無機質になりがちなシンセ・ポップに血を通わせる存在として、彼の歌声はこの楽曲の核となっていると言ってもいいでしょう。


「Living in a box」に込められた都会的メッセージ

リリックで描かれるのは、管理された空間や社会の枠組みの中で生きる現代人の閉塞感。「Living in a box」というフレーズは、80年代的な都会生活への違和感を、Popでキャッチーなカタチに落とし込んだ象徴的なメッセージとして響きます。この軽やかさと皮肉の同居こそが、UKシンセ・ポップの美点ですね。


ブレイク後のカタルシスとJunior Vasquezの萌芽

この12インチの魅力は、ブレイク以降の展開にもあります…ビートが一度引き、シンセが空間を支配する瞬間の緊張感、そして再びビートが戻る瞬間のカタルシスは、ラジオでは決して味わえないClub Mixならではの醍醐味。エディットを手がけたのは、当時Arthur Bakerのもとで経験を積んでいたJunior Vasquez。のちにNYクラブ・シーンを牽引する彼のセンスが、すでにこの盤の中に垣間見えます。


PopとClubを横断した80sシンセ・ポップの到達点

UKチャート5位、Billboard Hot 100でもトップ20入りを果たしたこの曲は、シンセ・ポップとしては異例のクロスオーバー・ヒットでした。ラジオでのキャッチーさと、クラブでの拡張性を同時に成立させた好例として、当時のDJたちからも高い評価を受けています。Popでありながらダンサブル、洗練されていながら感情的…その絶妙なバランスを、最も美味しいカタチで味わえるのがこのUSオリジナル12インチシングルっ!80s シンセ・ポップを語る上でハズせない1枚であり、今あらためて聴く価値のあるクラシック。試聴前のあなたにこそ、この盤の溝が持つ高揚感を体感してほしいですね〜。

 

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